4号特例の見直し
「4号建築物」、「4号特例」など、建築業界で働く方たちにとってはなじみのある言葉かとは思いますが、
業界人ではない方たちからするとまったく聞かない言葉だと思います。
「4号建築物」とは2階建てまでの木造、平屋建ての鉄骨造・RC造など、比較的小規模な建築物のことを指します。
一般的な木造住宅はほとんどが「4号建築物」に該当することになります。
そして「4号特例」とは4号建築物の確認申請時に審査項目が一部省略され、審査が簡略化されるという特例です。
この「4号特例」が2025年に縮小されることになり、木造建築物の大転換期となりそうです。
業界人ではない方(これから家を建てる方)は、この大転換の実感はあまりないかもしれません。
しかし我々建築業界で働く者にとってはしっかりと理解しておかなければならないことです。
ということで自分への理解を深める為、このブログを書いていますのでどうぞお付き合いくださいm(__)m
4号は廃止され、2号または3号に区分へ
この通り、現状の4号建築物は新2号、新3号建築物に区分されます。
元々、木造3階建ては2号建築物だったので、木造2階建ても2号に加わるというイメージでしょうか。
上の画像に記載はありませんが鉄骨、RCで2階建て以上の場合は現状3号ですが、これも新2号となります。
平屋建てで延べ面積200㎡以下であれば新3号となり、新3号であれば引き続き特例で審査が省略可能です。
今後は「3号特例」と言うようになるのでしょうか??
新2号となると構造関係、省エネ関係の図書が新たに提出が必要となります。
申請を提出する側も、審査する側も大変そうです。。。
しっかりと準備をしていかなくてはなりませんね。
構造規定の改正
この表の赤字の通り、許容応力度計算が適用できるのは「高さ12m以下、軒高9m以下」→「高さ16m以下」まで緩和された反面、
延床面積については「500㎡超」→「300㎡超」と狭められました。
ここで怖いのは「既存不適格」です。
例えば
現時点で木造2階建て300㎡超500㎡未満の場合は許容応力度計算は不要ですので、
仕様規定(壁量計算)を満たしていれば当然「合法な建築物」です。
しかし
この建築物は2025年以降は許容応力度計算が必要な建築物となりますので「既存不適格建築物」となります。
(※既存不適格=違法ではありません)
ここでどんな問題が考えられるかというと、
この既存不適格建築物に増改築をする場合、確認申請で許容応力度計算が求められるということです。
現時点で300㎡超の木造建築物を計画されている方は、許容応力度計算をしておくことをお勧めします。
必要壁量の改正
従来までは「軽い屋根」、「重い屋根」の区分けしかなかったのですが、「ZEH水準等の建築物」が追加されるようです。
これは令46条壁量計算に使用する係数ですが、
性能表示壁量計算(耐震等級3、耐風等級2など)の場合は、どのような改正になるのか今後も注意してみていく必要がありそうです。
柱の小径の改正
柱の小径についても「ZEH水準等の建築物」と「ZEH水準等の建築物(多雪区域)」が追加されるようです。